ラガービールとエールビールの違いとは?味や香りの違いについて解説!
暑い夏になると飲みたくなるのが、キンキンに冷えたビール。
ビールにも様々な種類があります。CMなどでもよく聞く、ラガービールやエールビールはどのような違いがあるのでしょうか。
最近では、様々な種類のビールが飲めるお店も増えています。
それぞれの違いを知って、ビールをもっと楽しみましょう。
ビールの醸造方法
ラガービールとエールビールの違いを知るには、ビールが出来る過程を知る必要があります。
まずは、簡単にビールの醸造方法を説明します。
ビールの材料は、大まかに下記の4つです。
- モルト(発酵させた大麦)
- ホップ
- 酵母
- 水
これらの他に副原料と呼ばれる日本の酒税法で決められた原料もあります。
まず、モルトを砕きお湯と混ぜ、もろみを作ります。
もろみをろ過すると麦汁というものができ、これにホップを混ぜて煮ます。
次に酵母を混ぜると、発酵が起き、アルコールと炭酸ガスが出ます。
そして、熟成をさせた後、熱処理やろ過をして完成です。
以上は、基本的な作り方ですが、副原料を使用したり、発酵などのやり方によって様々な方法があります。
ラガービールとは
ラガービールのラガーとは、ドイツ語で貯蔵という意味で、貯蔵庫で二次発酵を行うビールの事を指します。
ラガービールの発酵は、下面発酵といい5~10度の低温で発酵させ、酵母が下に溜まっていきます。
発酵期間も熟成期間もエールビールより長くなります。
日本では大手のビールメーカーで作られているビールのほとんどが、ラガーのピルスナーという種類で、もっともメジャーなビールです。
他にも、デュンケル、メルツェン、ボック、へレス、シュバルツ等の種類があります。
ラガービールの歴史
ラガービールの発祥は、ドイツのバイエルンです。
15世紀以前のビールは、腐敗が少なく気温の低い冬に作られていました。
しかし、天然の氷と洞窟の貯蔵庫を使用することで、長期間の熟成が可能になりました。
ここから、ラガーの歴史が始まります。
ラガーは、低温で発酵させるため、雑菌が繁殖しづらく製造管理がしやすいので一定の品質が保てました。
19世紀には、冷蔵技術が発達し、季節を問わず作ることができるようになります。
長期保存と大量生産が可能になったことで、輸送距離も広がり、世界的に普及しました。
エールビールとは
エールの語源は、ローマ時代の「植物の絞り汁」という意味の言葉から来ている様です。
エールビールは、ラガービールより歴史が古く、英国のパブには必ずある飲み物でした。
常温~やや高温で発酵させ、発酵期間も、熟成期間もラガービールに比べて少ないので、作りやすいですが、昔は保存や管理が大変だったと思います。
日本では、ラガービールが主流の為、エールビールはあまりなじみがないかもしれませんが、最近流行りのクラフトビールでエールビールを知った方は多いのではないでしょうか。
エールビールの種類には、ペールエール、IPA、スタウト、ヴァイツェン、ベルジャンホワイト等があります。
エールビールの歴史
エールビールの歴史は、ラガーよりかなり古く、イギリスがまだブリタニアと呼ばれていた古代ローマの時代からあったと言われています。
エールと呼ばれるようになったのは、5世紀頃からです。
エールは雑菌の繁殖しやすい常温で発酵させるため、管理が難しいですが、イギリスの気候は夏涼しく冬が暖かいとエールには適していました。
18世紀に入ると、抗菌作用のあるホップが使われることにより、より品質管理が進み普及していきます。
その中でも、複数のエールをブレンドしたポーターが人気になりました。
さらに、ホップをふんだんに使用した、ペールエールは、イギリスの統治下にあったインドにわたり、IPA(インディアンペールエール)となり、現代でも楽しまれています。
ラガービールとエールビールの違い
ラガービールとエールビールの違いは、前述にもある通り、醸造過程の発酵の違いです。
ラガービールは、低温で時間を掛けて発酵させる下面発酵で、発酵の際に酵母が下に溜まっていきます。
エールビールは、常温で短期間で発酵させる上面発酵で、発酵の際に酵母が上に溜まっていきます。
どちらも原料は同じですが、発酵によって、味わいも、のどごしも変わっていきます。
まさに、生き物の酵母が作った違いです。
ビール酵母の種類
酵母は、簡単に言うと微生物、生き物です。
一口に酵母と言っても、全てがビールになるわけではありません。
納豆や味噌などの他の発酵食品に使われる酵母もあります。
ビールの酵母はビール酵母と言い、大きく分けると下記の二種類です。
- エールビールに使われるエール酵母(上面発酵酵母)
- ラガービールに使われるラガー酵母(下面発酵酵母)
酵母は生き物と言いましたが、同じ生き物でも、暮らしている環境によって適した気温がある様に、酵母にも活発に活動できる温度があります。
エール酵母(上面発酵酵母)は、常温(15~25度)でよく働きます。
発酵期間は短く、香り高いビールを作ります。
ラガー酵母(下面発酵酵母)は、低温(5~11度)でよく働きます。
発酵期間は長く、すっきりしたビールを作ります。
味わい
日本でメジャーなビールと言えばラガービールです。
日本の大手ビールメーカーから出ているのは、ほとんどがラガービールの為、なじみ深いと思います。
ラガービールの中でも、様々な種類があります。代表的な種類を紹介します。
ピルスナーは、ラガービールの代表格で、すっきりとドライな味わいのビールです。
シュバルツは、ローストした麦芽を使用するため、黒くなりますが、ラガーらしくスッキリとした味わいで、軽く飲むことができます。
デュンケルも、ローストした麦芽を使用しますが、シュバルツに比べライトでさっぱりとした飲みやすい味わいになります。
エールビールは、日本ではクラフトビールなどで知られる方が多いのではないでしょうか。
ラガーとは違い、華やかな香りや、ワインのようなフルーティーな物など、作り手によって様々なものがあります。
エールビールも代表的な種類を紹介します。
ペールエールは、ホップの香りや苦みが味わえ比較的飲みやすいため、ラガーを飲みなれている方にもおすすめな種類です。
IPAは、ホップを大量に使用しているため、苦みと香りがとても強いです。アルコール度数も高くずっしりと飲みごたえのあるビールです。
ヴァイツェンは、白ビールと呼ばれるもので、フルーティーな香りで苦みが少なくまろやかな味わいです。
ラガービール人気銘柄3選
日本では、メジャーなラガービールの人気銘柄はどのような商品でしょうか。
大手ビールメーカーが季節によっても味わいの違うビールを出していますから、同じビールでも好みがあると思います。
メーカーで選ぶ、銘柄で選ぶ、味わいで選ぶ、様々な選び方があると思いますが、ここでは、人気の銘柄をご紹介いたします。
ザ・プレミアム・モルツ
- ボディ
- ミディアム
- ビアスタイル
- ピルスナー
- 発酵方法
- 下面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 5.5%
- 産地
- 日本
- 原材料
- ホップ、麦芽
- ブルワリー
- サントリー
商品詳細
サントリーの定番商品、華やかな香りと深いコクというキャッチフレーズ通り、香りのいいビールです。きめの細かいクリーミーな泡も特徴で、ちょっと贅沢な気分になれる一本だと思います。飲食店で、生ビールとして出しているお店も多い為、飲んだことのある人も多いのではないでしょうか。
サッポロ ヱビスビール
- ボディ
- ミディアム
- ビアスタイル
- ピルスナー
- 発酵方法
- 下面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 5.0%
- 産地
- 日本
- 原材料
- 麦芽・ホップ
- ブルワリー
- サッポロ
商品詳細
贈答品などによく使われるエビスビール。
副原料を一切使わず、麦芽100%で作られるため、通常の熟成期間より1.5倍かけて熟成されます。
その為、うま味とふくよかなコクがあり、とても上品な味わいになっています。
こちらも、飲食店で生ビールとして出されているところが多いので、なじみ深いと思います。
キリン一番搾り生ビール
- ボディ
- ミディアム
- ビアスタイル
- ピルスナー
- 発酵方法
- 下面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 5.0%
- 産地
- 日本
- 原材料
- 麦芽、ホップ
- ブルワリー
- キリン
商品詳細
商品名にもなっている一番搾り製法を使用した、キリン独自のビールです。
一番搾り製法とは、麦汁ろ過工程において最初に流れる一番搾り麦汁のみを使用する製法の事です。
その為、麦のうま味がたっぷりと味わえる一本になっています。
飲食店での取り扱いは多く、様々な料理に合うビールです。
エールビール人気銘柄3選
エールビールも近頃流行っていますので、スーパーなどで見かけるものも増えたのではないでしょうか。
ラガーに比べ、入りにくいビールかもしれませんが、少し変わった味わいを求めている方にとっては、面白い発見があるかもしれません。
ここでは、エールビールの人気銘柄を紹介いたします。
銀河高原ビール 小麦のビール
- ボディ
- ライト〜ミディアム
- ビアスタイル
- へーフェヴァイツェン
- 発酵方法
- 上面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 5.5%
- 産地
- 長野県
- 原材料
- 麦芽(小麦麦芽・大麦麦芽)、ホップ
- ブルワリー
- 銀河高原ビール
商品詳細
口当たりがよく、フルーティーな味わいのビールです。
苦みが少なく飲みやすいので、初めてビールを飲む方にもおすすめの一本。
「自然体で過ごす時間を」といううたい文句の通り、パッケージもトナカイの可愛らしいものになっています。
スーパーやコンビニなどでも買えます。
よなよなエール
- ボディ
- ミディアム
- ビアスタイル
- アメリカンペールエール
- 発酵方法
- 上面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 5.5%
- 産地
- 栃木県
- 原材料
- 麦芽、ホップ
- ブルワリー
- ヤッホーブルーイング
商品詳細
クラフトビールの定番、ヤッホーブルーイングの代表的な商品。
飲みやすく、飲んだ後の香りが長く続きます。
よなよな専門の飲食店もあり、スーパーやコンビニでも購入できるので、出会う機会は多いと思います。
ヤッホーブルーイングのビールには、他にも色々なスタイルのエールビールがあるので自分に合ったビールを見つけられると思います。
ザ・プレミアム・モルツ 香るエール
- ボディ
- ライト〜ミディアム
- ビアスタイル
- ジャパニーズエール
- 発酵方法
- 上面発酵
- ABV(アルコール度数)
- ABV
- 6.0%
- 産地
- 日本
- 原材料
- 麦芽・ホップ
- ブルワリー
- サントリー
商品詳細
ザ・プレミアム・モルツシリーズのエールビール。
さわやかな香りが特徴で、とにかく飲みやすいです。
プレミアム・モルツと同じようにお店に並んでいるため、手に取りやすい商品だと思います。
ビール初心者の人におススメの一本です。
まとめ
一口にビールと言っても、その国や地域によって、味わいの違うビールがたくさんあります。
最近のクラフトビールブームなどで、様々なビールを提供するお店も増えてきているので、一般的なラガービールとは違うものと出会う機会も増えてきたのではないでしょうか。
そんな時に、ラガービールとエールビールの違いだけでも、知っておくと、ビールの楽しみ方も広がってくると思います。
ぜひ、自分のお気に入りの一杯を見つけてみてください。