麦芽について詳しく紹介!ホップや麦との違いも解説!

麦芽とは?

ビール愛好家ならご存じの麦芽。 麦芽は英語で「malt(モルト)」と呼ばれ、名前通り「発芽した麦」の事を指します。

麦芽(大麦)には、二条大麦と六条大麦の2種類あります。 ビール造りには二条大麦を使用します。

二条大麦の特徴は、粒が大きく、糖が多く含まれています。

このことから二条大麦は「ビール大麦」と呼ばれることもあるほどです。

麦芽の最大の特徴は、ビール醸造過程で使用する種類や量を変えることで、様々な風味や味の変化が生まれます。

そのおかげで多種多彩なビールを飲む事が出来るのです。

そんな麦芽について、ビールを毎日欠かさず飲み続ける事13年の私が詳しくご紹介します。

大麦を発芽させたもの

大麦(麦)を発芽させたものを「麦芽」と呼びます。

ビール造りに欠かすことが出来ない「麦芽」ですが、なぜ大麦を発芽させてビールに使用されているのでしょうか?

それは、発芽することで生まれる「酵母」と「糖」がビール造りに必要不可欠だからです。

アルコール成分は、「糖質に酵母が働きかける=発酵」により生まれます。

しかし、大麦自体には糖がほとんどなく、酵母は働くことができません。

ですが、大麦は発芽する事で糖が生まれる性質を持っているので、大麦を発芽させて発酵を行いビールに欠かせないアルコール成分を生み出します。

また、ビールに欠かせないしゅわしゅわとした「のど越し」は酵母から生まれます。

麦芽は大麦を水に浸し乾燥させて造られるのですが、乾燥させる温度などを調節することで様々な味のビールが生まれるのです。

ベースモルトとスペシャルモルトに分類される

ビールを造りに欠かせない麦芽。 そんな麦芽は、大麦を発芽させる時に大麦の種を水に浸します。

その後、大量の水を吸った大麦に温風を送り乾燥させます。

温風を送り乾燥させる醸造工程を「焙燥」と呼び、この時の温風の温度調整で味や風味を変えることができます。

80℃の低温でゆっくり時間をかけて焙燥された麦芽は「ベースモルト」と呼ばれます。

ベースモルトはビールの基礎となる麦芽で、ビール全体の80%~90%を占めるといわれています。

また、100℃の高温で焙燥あれた麦芽は「スペシャルモルト」になり、ビール内に10%~20%しか入っていなくても独自のコクや甘味を発揮します。

効果や栄養はある?

麦芽には、2種類の「不溶性と水溶性」の食物繊維がバランスよく含まれています。

特に水に溶ける食物繊維の「β-グルカン」の効果には、

  • 便秘解消
  • 食後の血糖値上昇を抑えて脂肪を付きにくくする
  • コレステロール値低下や糖尿病対策

などの魅力的な効能が期待できます。

また、麦芽にはビタミンB群の栄養が多く含まれているため、新陳代謝を促進し髪の毛やお肌などを健康的にしてくれます。

麦芽と似た種類の解説

麦芽(大麦)には似た種類の穀物がたくさんあります。

その中でも特に一緒にされることが多い小麦。 小麦と麦芽の一番の違いはグルテンが含まれているか、いないかです。

小麦にはグルテンが豊富に含まれています。そのため、パン作りや麺類を作るときに使用されるのです。

一方麦芽(大麦)にはグルテンは含まれていません。(品種によっては含んでいるものも有)

そのほかにも麦芽(大麦)に似た種類の穀物はたくさんありますので、一部ですが詳しく解説していきます。

ホップの違いについて

ホップには、ビールの泡立ちをよくし、雑菌の繁殖を抑える効果があります。

麦芽とは違ったホップ特有の性質からビールには「麦芽とホップ」が欠かせない存在となっているのです。

また、ホップはビール特有の苦みや香りを生み出してくれます。

ホップは100種類以上が世界中で栽培されており、使用するホップによってビールの味わいに個性が生まれます。

代表的なホップといえば、苦みが弱く華やかな品種「アロマホップ」や、ビール特有の苦みが強い品種「ビターホップ」があります。

あなたがいつも飲むビールにも使われているかもしれませんよ。

麦との違いについて

麦と麦芽は、見た目ではとても些細な違いですが、細かくみる大きく異なります。

麦とは「芽が出ていない=発芽していない」ので、酵母が発生しないので糖に変わることができません。

そのため、発酵ができずアルコールを生み出すことが出来ません。

麦とは違い「芽が出ている=発芽している」麦芽は、酵母を発生させ胚乳のデンプンを糖に変えることができます。

そのため、アルコールを生み出すことができ、ビールの現状となるのです。

また、酵母が糖をエサに元気になる事で二酸化炭素が生まれることで、ビールの泡となります。

ライ麦とエン麦もある

「麦」はイネ科の植物の総称で、人間は古くから麦を栽培し食用や飼料に使ってきました。

ビールに使われる大麦を始め、「小麦・ライ麦・エン麦」も麦に含まれます。

ライ麦とエン麦がビールの味わいにレパートリーを増やしてくれているのはご存じでしたか? ライ麦は黒麦とも呼ばれ、劣悪な環境でも育つことから小麦が育たない地域で貴重な栄養源として重宝されてきました。

ライ麦を使用したビールの特徴は、フルーティな味わいの中にライ麦特有の素朴な香りが漂い、癖になる味です。

また、ライ麦を使用したビールは美味しい味わいと評判で人気が高いのですが、 ライ麦を麦芽にする難度や醸造における手間の多さからライ麦を使用したビールが減り、なかなか市場に出回らない貴重なビールとなっています。

エン麦はオート麦やオーツ麦とも呼ばれ、オートミールや家畜の飼料として親しまれてきました。

エン麦は中世末にビール醸造に使用することが許されていた事から、今でも醸造方法を変えない伝統的ビールに使われることが多いです。

エン麦を使用したビールには、まろやかさやコクが特徴です。

麦芽の作り方を紹介!

魅力たっぷりの麦芽の作り方を詳しくご紹介します。

大麦を発芽させるため、大量の水に浸し大麦を元気にさせます。これを「浸麦(しんばく)」と呼びます。

浸麦で発芽を始めた大麦には風を送って、どんどん発芽するように促していきます。

発芽したての大麦は「もやし」のような見た目なのですよ!

ある程度発芽したところで、熱風を送り乾燥させ発芽を終わらます。これを「焙燥(ばいそう)」と呼びます。

焙燥時の熱風の温度や時間を調節することでベースモルトやスペシャルモルトなどの多種多様な種類の麦芽を造ることができるのです。

また、焙燥工程でしっかり乾燥すると雑菌繁殖を抑えることが出来るので、長期保存が可能となります。

最後にビールの味の要の渋みや雑味の原因にもなる「根っこ」を除去して完成です。

麦芽は販売している?

麦芽は炭水化物の消化を促進する代表的な生薬です。

ダイエット効果も期待できることから人気がある麦芽は、インターネットなどで気軽に購入することができます。

販売されている麦芽には、様々な種類ラインナップがあるので

  • お米と一緒に麦芽も焚き上げる
  • いつものスープに入れてる
  • 粉末状の物はパン作りにる

など、調理方法は無限大です。

また、程よく塩やみそなどで味付けされた麦芽のおつまみなども販売されており、麦芽の良さはそのままに、おいしく食べることができます。

さらに、麦芽をふんだんに使用した麦茶も販売されています。

麦芽麦茶は、麦芽の芳醇な香りを楽しめる事はもちろん、味も美味しいと好評です。

手間もなく楽しめるので、初めは麦芽麦茶から始めてみてはいかが?

まとめ

いかがだったでしょうか? 意外と麦芽やホップ、麦の違いについて知らないことが多かったかもしれません。

ビールの知識について知れば知るほど、より美味しく飲めるようになりそうですよね!

ビールについての知識を知り、充実したお酒ライフを送っていきましょう!


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