お酒を飲むと頭痛がおきるのはなぜ?原因と予防について解説

 

夏になると冷えたビール、冬になると熱燗。

美味しいお酒を目の前にするとついつい飲みすぎてしまいますよね。

そして翌日には二日酔い、同時に辛い頭痛にも悩まされます。

頭痛にならずにお酒を楽しめる方法はないのでしょうか。

当記事ではアルコールによる頭痛のメカニズムやなりやすいお酒の種類、対策などを解説しております。

飲みたいけれど頭痛にはなりたくない、お酒を飲むといつも頭痛になってしまうけど薬には頼りたくない…という方は必読です。

しっかりと対策して楽しくお酒を飲みましょう。

なぜお酒を飲むと頭痛がおきやすくなるの?

なぜお酒を飲むと頭痛が起きやすくなる?

飲酒によって体に入ったアルコールは、肝臓で分解され「アセトアルデヒド」という毒性の物質になります。

アルコールを過剰に摂取した場合、アセトアルデヒドが体内に発生し、肝臓で分解する処理が追いつかないため、そのまま血液中に流れ出てしまいます。

そしてアセトアルデヒドの毒性が血流に乗って脳の血管を広げ、頭痛が起きてしまいます。

しかし適度なアルコール量の場合であれば、アセトアルデヒドは酢酸という無害な物質にさらに変換されたのち、汗や尿として排出されるので、頭痛や二日酔いは起きないと言われています。

どんな人が頭痛になりやすいか

過剰なアルコールを摂取すればどんな人でも頭痛になりますが、特にお酒が弱い人は少量のアルコールであっても、頭痛が起きやすい傾向にあります。

毒性物質であるアセトアルデヒドを分解する働きが弱いので、アセトアルデヒドが体内に溜まりやすいことが理由です。

量は飲めるけど「お酒を飲むと顔が赤くなる人」も上記と同じ理由で頭痛になりやすい人に分類されます。

また、お酒が好きな人もすいすい飲んでしまうので過剰摂取になりやすく要注意です。

ビールなどグビグビと飲めるお酒であっても、辛い頭痛を避けるため量には注意しましょう。

どんなお酒が頭痛になりやすいか

お酒の種類は頭痛に関係があるのでしょうか?

答えはYESです。では、頭痛になりやすいお酒をランキング順に見てみましょう。

①ワイン

ワインに限らず醸造酒はポリフェノールなどのアルコール以外の成分が多く含まれるため、アルコール代謝に影響を与えます。

そしてその分解が遅れることで、頭痛を引き起こしやすくなります。

加えて、多くのワインには品質維持のため酸化防止剤が使用されています。

その酸化防止剤に含まれる「亜硫酸塩」に対して身体がアレルギー反応を起こすことがあり、それが頭痛の原因になることもあるのです。

オーガニックワインや無添加ワインなどを選べば頭痛がなくなったという話を聞くのはそんな理由からと考えられます。

②日本酒

先にワインの項目で解説した理由から、蒸留酒などと比べて頭痛が起こりやすいと言えます。

特に冷酒は口当たりの良さから過剰摂取しやすく、それでいてアルコール度数がビールに比べて高いので、2位にランクインしました。

③ビール

理由は同上です。

また、ビールも冷酒と同じく、つい飲みすぎてしまいがちですが、アルコール度数が低いので3位となりました。

上記3種類に比べて、ウイスキーや泡盛、焼酎などの蒸留酒は比較的頭痛になりにくいと言われています。

度数が高いため、ストレートでゴクゴク飲むということが少ないことも影響しているのでしょう。

どんなお酒であってもやはり適量を超えて飲んでしまうと頭痛を引き起こす原因となってしまいます。

頭痛になりにくいお酒の適量とは?

では、頭痛になりにくいお酒の量とはどのくらいでしょう?

厚生労働省が推進する「健康日本21(第2次)」では、1日当たりの純アルコール摂取量は、男性では40g以下、女性では20g以下と定義されています。

純アルコール20gの具体的な量の目安を、先のランキングでご紹介した

①ワイン②日本酒③ビールの順に見ていきましょう。()内は想定アルコール度数です。

  • ワイン(12%):グラス2杯弱(200ml程度)
  • 日本酒(14%):1合(180ml程度)
  • ビール(5%):中瓶1本(500ml)

上記が適量の目安です。男性はこの倍までということになります。

ただし、体質によってもお酒の適量は変わってきますので、自分の身体と相談しながら飲みましょう。

頭痛にならないようにするための対策

この項目では頭痛を避けるために出来る対策をご紹介していきます。

空腹を避ける、水を一緒に飲む、適量を守って飲む、など基本的なことが多いですが、実際にはどのようにすれば実践出来るのでしょうか。

今日から早速取り入れられる方法なので、うまく活用して頭痛対策をしてみましょう。

空腹を避ける

アルコールはすぐに吸収されます。

摂取したアルコールのうち、1割が胃で、残り9割は小腸で吸収されます。

胃に食べ物がなく空っぽだと、アルコールがすぐに小腸に辿り着くので、その結果酔いの回りも早くなります。

そのため、お酒を飲む前には食事を軽く摂ると良いのです。

おつまみには繊維質や脂肪分の多いものがおすすめです。

胃に停留する時間が長いため、アルコールの吸収も緩やかになるからです。

また、胃を保護するという観点からもなるべく胃に固形物がある状態でアルコールを摂取する方が良いでしょう。

水を一緒に飲む

アルコールを摂取すると水分が身体から抜けていきます。

そのため脱水を起こしやすく、頭痛につながります。

お酒と一緒に水を飲むと脱水を避けることが出来、頭痛対策となります。

ウイスキーなどで言うところの「チェイサー」、日本酒での「和らぎ水」ですね。

また、お酒と水を交互に飲むことで胃の中のアルコール濃度を下げたり、飲むペースを緩やかに出来るため、二日酔いにも効果があります。

一緒に飲む水は、常温のものが良いと言われています。

冷たすぎる水や炭酸水は胃酸の分泌を促進するはたらきがありますので、なるべく避けた方が良いでしょう。

飲酒の量を心がける

ここまで紹介した上記2点も重要ですが、やはり一番の頭痛対策はアルコールの摂取量に気をつけることでしょう。

どんなお酒を選んでも量が多ければ、分解出来ず頭痛の原因となってしまいます。

ビールや日本酒、ワインの場合の適正純アルコール量は前述しましたが、それ以外のお酒の量は以下の計算式で確認できます。

度数(または%)÷100×0.8×酒の量(mlまたはcc)=純アルコール量(g)

頭痛や二日酔い予防のためだけでなく、健康のためにも飲酒の量には気をつけたいですね。

また、飲むペースが早いことも大量摂取に繋がってしまいます。

ゆっくりと食事と一緒に楽しむことが頭痛対策にもなるのです。

まとめ

お酒を飲んだ時の頭痛のメカニズム、対策など解説してきましたが、取り入れられそうなものはありましたか?

大量の飲酒は、有害物質であるアセトアルデヒドを体内に増やし、頭痛を引き起こします。

お酒に弱い人や飲酒時に顔が赤くなる人は特になりやすいと言われています。

頭痛を避けるには、適量を守りながらお酒を嗜むことが大切です。

また、おつまみなど胃に食べ物を入れておく、水を一緒に飲む、などの対策も効果的です。

実践しやすい対策ばかりなので、今晩の晩酌から早速出来そうですね。

万が一頭痛になってしまった時の治し方としてロキソニンを服用する、などの方法も有効とされていますが、やはり健康のためにも適量を守って飲むことをおすすめします。

頭痛を避けてお酒を美味しく楽しみましょう。


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